経営シミュレーション研修による人材養成プログラム・・・ビジネス用語の解説
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説得のための適正距離と心理

大げさなタイトルだけれど、経営用語ではないし、適正距離の心理学なんていうテーマもないだろうと思う。これは、プレゼン研修での挿話として使っているので・・・どうぞご覧ください。

説得は距離に反比例する

 相手に接近すると説得の効果があることは心理学の実験でも証明されているらしい(どこまでホントか知らないけれど何となく納得できそうだ・・・)。具体的には、30〜45センチの距離が最も効果的というもの。つまり相手の個人空間(生理的空間とも呼ぶらしいに入り込むことによる効果なんだそうだ。
 裏返すと1メートルくらい離れた場合の熱心な説得は逆効果になると言う。相手に猜疑心や警戒感を与えるらしい。確かにセールマンの話しはそんな気がする。それに10メートル離れて上司から怒られてもあまり怖くないだろう・・・

余談だが、ヒトラーの演説は聴衆を興奮させていた。聴衆との距離が長いにもかかわらず・・・。これは巧みに計算されたプレゼンなのだ。ヒトラーは鏡の前で何度も練習をしていた(昔NHKテレビで見たことがある)

 さて、一般論としては相手との距離が近いほうが説得しやすい。昔から『ひざ詰め談判』て言うではないか。大事な話をするときは、ひざとひざを突き合わせて話をするというものだ。親子や友人間で悩み事を話したりするときは自然とそのスタイルだ。謀(はかりごと)をするときもそうだ(聞かれないためか!)。

 実はこのテクニックを悪用している連中がいる。街頭で突然親しそうに声をかけてくる「キャッチセールス」の手口だ。うんと近づいて、見かけは友人のような体裁を作り、雑踏の中で周囲と断絶した二人だけの空間を作ってしまう。相手が一歩退くと、その分一歩前進して距離を詰める手口だ。

 カウンセリングのような場面でもあまり離れて座らないと思う。例えば、机をはさんで正面に座るスタイルは取調べをしている絵だ。L字型で座った方が、話しやすいはずだ。普通、親しくなると隣に座る。
 こうしてみると「説得は距離に反比例する」は法則性がありそうだ。
 換言すると、『相手との信頼関係と距離は反比例する』でもよい。男女関係ですぐ分かる。30センチ内に入る関係は親密だ。より親密だとやがてゼロになる。時にはマイナスになることもある。

で、ビジネスにおいても、商談などの一対一の場面、部下指導の場面などで自然と使われているわけだ。しかし30センチは近いナー。口臭とセクハラにご注意。

ヤマアラシのジレンマ

 これは説得じゃないけれど、距離についての有名な比喩。
冬のある寒い日、二匹のヤマアラシがいました。寒いので二匹は体を寄せ合って暖めあいました。そのうち、お互いの針が当たって痛くなり、離れました。すると寒くて仕方ありません。近づくとお互いに傷つけあうし、離れると寒い。それを繰り返すうちに、ちょうど良い距離を保つようになりましたとさ。
 『付かず離れず』ということだけれど、身につまされそうな話し。対人関係そのものだ。
ジレンマと言うと、『囚人のジレンマ』という面白い話しもあるけれど、これはゲーム理論で使われる話だ。

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