経営シミュレーション研修による人材教育
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ケーススタディとの違い経営シミュレーションとは何か・・・教育技法としての特徴


□ ケーススタディとの違い

□ 学習要素と学習方法について

このページは教育技法の視点から、ケースタディとの比較をしながら特徴を述べています。他にも経営シミュレーションとは、およびコース流れ図でイメージがつかめると思います。


ケーススタディ(事例研究)との比較


ケーススタディ 経営シミュレーション
ケースの特性 定性的ケースが多い 定量的ケース 計数中心のケーススタディという側面があります
ケースの変化 静的 動的 ケーススタディはケースが固定的であるのに対して、経営シミュレーションは内部/外部環境(需要、競争状態、金利、業界構造など)が変化しますから、動的なケーススタディと言えます。
答えがあるか ケーススタディには答え(正解)は用意されていませんが、経営シミュレーションは「業績」という答えを追求します。
競争性 × 答え(=業績)があるからこそ競争的になります。
繰り返し性 1回限り エンドレス ケーススタディでは解決策を考えても、その後どうなったかは不明。経営シミュレーションでは意思決定の結果が業績としてフィードバックされるから継続企業の経営になります
ヒューマンスキル シミュレーションでこれを重視しているか否かはモデルや運営によります。DOMEXの上位コースは数字のみを追いかけるのではなく、各種の交渉場面を通してロールプレイング的に体験します。
主体性 どちらも『あなたなら、どうする!?』を正面から問われる研修です。しかしシミュレーションは競争性があるために、参加者を能動的学習にします。

  • ケーススタディとは
ビジネススクールでの定番的な学習方式です。さまざまな事例を通して経営上の問題分析力・解決力や判断力を養成します。スクールでは何十本、あるいは百本以上ものケースを吸収します。学習用に創作された事例や実際の事例などがあります。最もよいのは自社の問題をケーススタディとして扱う場合ですが、それは難しいようです。国内では慶応大学等で販売されています。類似技法としてケースメソッドもありますが、ケーススタディとの違いは諸説あります。
上表の比較では、経営シミュレーションは動的なケーススタディという捉え方ができます。
  • シミュレーションとは
模擬実験と訳されます。自然科学分野の用語です。いきなり本番に臨むのは人的・物的な損失(リスク)が大きすぎますから、事前に実験をしてこれなら大丈夫と確認したら本番に臨むのです。飛行機の風洞実験、船舶の水槽実験などハードの設計製造だけでなく、フライトシミュレーター、ドライブシミュレーターのようにヒトの訓練にも使われます。
 その考え方を経営に応用したのが経営シミュレーションです。18世紀のプロシャにおける軍事作戦を練るための机上(図上)演習・戦争ゲームが発端です。それを経営教育に応用して1960年前後からアメリカでビジネスゲームとかマネジメントゲーム)と呼ぶものが作られました(マネジメントゲームの研究を参照)。
 経営シミュレーションと言っても本物の企業体を扱うわけではありません。枝葉を切り落として基本構造に抽象化した仮想的な経営モデルを使い、経営の問題点や現象を再現して解決の舞台を演出します。いわば「経営機能の理解と経営戦略の優劣を競う場」なのです。ですから、モデルの内容や運営によっては非現実的であったりゲーム性(ビジネスゲームとの違い)が強すぎるとかの問題もあります。
  • 演習としての経営シミュレーションとは何か?
ビジネスマンの知的武装 ビジネススクールに通ったり、読んだ経営書の厚さで事業能力が身に付くわけではありません。どちらの技法もビジネス経験を積み重ねた人がやると、経験の理論化・概念化が可能となり普遍的スキルへと昇華できます。ところがビジネス経験(人間関係も含む)の浅い人がやるとたんなる知識に終始します。
 望ましいのは実業の世界で多くの経営体験を積むことです。平たく言うと「実業の世界に身を投じよ!」なのです。例えば業績不振の子会社の再建は格好の舞台です。ところが、志が高くてもそんなチャンスは簡単には訪れません。運良く巡り合わせても、うまく行くとは限りません。着任しても赤字を累積してしまう確率の方が高いのです。ですから経営シミュレーションとは・・・・
 『現実以外の方法で、現実の経営に役立つ教訓を抽出するもの』なのです。つまり「経営のこの局面では、こんな手を打つな。こういう手を打つべきだ」ということを学ぶのです。その教訓は好業績よりも、経営不振に陥ったり、どん底からの回復過程の方が重みがあります。

学習テーマと学習方法の関係

学習要素(テーマ)をどのような方法で学習するかを示すと次のようになります。

事前学習 シミュレーション 講義 個人研究 グループ討議 株主総会 アセスメント
事業構造の理解       チームビルディング
経営資源のバランス感覚    
投資のタイミング感覚       
財務会計・管理会計
経営分析  
資金繰りキャッシュフロー    
交渉/説得         
教訓抽出        
プレゼンテーション          
リーダーシップ        
経営戦略      

各コースに含まれる経営戦略の視点

EXCE MARK COST PRIMO PCMaker
経営資源の強弱分析
KFSの発見
ポーターの競争戦略  
アンゾフの成長ベクトル
コトラーの製品市場分析  
コトラーの市場地位戦略    
製品ライフサイクル戦略      
OEM戦略    

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